起立性調整障害と診断されたら・・・治療方法とは?
起立性調整障害という病気をご存知ですか?
起立性調整障害は10〜15歳の思春期の子供に多く見られる自律神経失調症の一種です。
なかなか朝が起きれなかったり、家でゴロゴロしていると、つい注意したり叱ったりしてしまいますが、実はこれらが起立性調整障害の症状なのです。
起立性調整障害と知らず、厳しく注意したり、無理に起こしたり登校させると重症化させてしまう事もあるので、気を付けなければなりません。
そこで、起立性調整障害の概要から治療についてご紹介したいと思います。
起立性調整障害概要
起立性調整障害は自律神経のバランスが乱れることが原因で起こります。
起立性調整障害になると以下のような症状が見られます。
・朝起きられない
・立ちくらみやめまいがある
・起立時に気分が悪くなったり、失神してしまう
・食欲不振
・動悸や息切れがある
・倦怠感がある
・頭痛がする
・乗り物に酔う
・顔色が悪い
この中に思い当たる症状が3つ以上ある場合、起立性調整障害の可能性があります。
すぐに医療機関を受診し、適切な治療を開始します。
自分でできるケア
起立性調整障害と診断された場合、まずは非薬物療法を始めます。
・水分を多く摂る(体重30キロで1日1.5リットル、45キロ以上で2リットルの水分が必要です)
・横になりっぱなしにならないように散歩程度の軽い運動を毎日行う
・起立時はいきなり立ち上がらず、30秒ほどかけてゆっくり立ち上がる
・起立中は足踏みや両足をクロスする
・歩き始める時は、頭位を前屈される
・早寝早起きを心がける(実行困難なケースが多いので、声掛け程度にしておく)
・むくみを防ぐ靴下や、加圧式腹部バンドなどを装着する
・やや多めに塩分を摂取する
・気温の高い場所は避ける
起立性調整障害の治療
非薬物療法での改善があまりみられない場合や重症例の場合は薬の服用による治療も併用します。
効果は症状や体質によっても異なりますが、起立性調整障害はすぐに完治する病気ではないので、根気よく治療を続ける必要があります。
まとめ
サボっているとご誤解を受けて、周りの理解が得られないことが、起立性調整障害の子供にとって最も辛く、症状を悪化させてしまうこともあります。
起立性調整障害は午前中に症状が出やすく、学校へ行くのを嫌がったり、遅刻したりしてしまいます。
そうかと思えば、回復しやすい午後にはゲームなどで楽しそうに過ごしている姿が見られるので、“本当に病気なのか?”と、なかなか周りの理解を得られにくのも実情です。
「朝は誰でも辛いから頑張れ」「心の持ち方で良くなる」と無理やり学校に行かせようとすると、子供がかえって拒否してしまい、引きこもりや不登校になりかねません。
しかし、きちんと治療することで、中度の症状の患者でも1年後の回復率は約50%、2〜3年後に至っては70〜80%とされています。
医師の診断書を持って学校にも協力を求めるなど、周りの大人が回復するまでゆっくりと見守っていくことが、治療には必要不可欠なのです。
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